2017-01-04 羽を拾う冬 詩 愛する人の香りを纏った初春が、船に揺られてやってきた。走る木枯らしの背に負われ夜の海に漕ぎ出た三日月に、人々は古く伝わる蛍雪を慈しむ。鐘の音よ!鐘の音よ!居眠りする羊を昨日の夕日へ追い立てろ!全ての人々の喜びの歌を標に初春はやってきた。愛する人の甘い声に机上の雪は溶かされて、船が鳥居をくぐる頃には食べ頃だ。