夜想葬曲

詩や短歌、想う事など

風に立つ蝶々

「風に立つ蝶々」

 

月が目覚めたように薄氷が割れては風が吹き
指に触れた蝶々さえ見つからなくなってた

ただ1度きり春の夢を見て手袋に白い息
会えばいつか別れが来ると知っていたはずでした

西の空に君が残して行った日々は永遠に褪せぬのしょう
信じた友を見送った橘の花がまた今年も咲く

君の春を想えばこそ冬柳に戯れる風、愛しい
風が立ちたる冬の恋を夕暮に愛した

願わくば春に1つ手紙を。と君を呪った夜
こんな月日2度と無いと気付けたと慰めた

どうしてだろう何度も君に恋をして温もりを分け合ったのに
春の風に発つ蝶々の方が愛しいと溢れては落ちて

風が吹き抜けた四季の庭
 希望歌い続けて鳴く子規
空いた掌に溜まる水も春雨のせいと言い聞かす

君の春を想えばこそ冬柳にに戯れる風愛しい
冷えた指先に触れた夜に口付けて眠ろう

君の春を想えばこそ冬柳に戯れる風、愛しい
茜色に染まる水尾の先に蝶が春を連れて行く