2017-03-07 静脈の春 詩 「静脈の春」 時に逸りし春の風が我が血潮となりて先を歩ます。眼前の断崖にて沈む夕日は こっとん、こっとん船を漕いで海へ逝く。来た道ゆく道猫に食わせてあの子この子と幸福の数を数えている。川の色、山の色、猫の目の色、時計の針も、眠る少女のブラウスの色も、見よ全てあの空の色!我が内に脈打つ春それは確かに幸福の色。