2017-02-02 夕日香灯 詩 夕日香灯(ゆうひこうとう) 死んだ初夏を桜の根元に埋めまして今日も月は店仕舞軒で嘆く子らを前に仏の足音が啜り泣いてやって来ます マッチ1本の火が私の涙その火で太陽を作るのです然もなくば役者が降ろした緞帳に谷の街は湖になるからです 雨雲を縫うあの人の骨に問いましょう冷えた指先で卒塔婆を片手に私はいつ紫陽花を手折りましょうか