夜想葬曲

詩や短歌、想う事など

【シン・ゴジラ二次創作短歌】龍の愛した女神への祝詞

http://bekira.hatenablog.com/entry/2016/09/27/230833
の「恋人を喪った安田短歌」へ投稿した自作短歌

 

 

・曙の紫に似た雲に発ち
       君は神へと成ってしまった

 

・指先でなぞった髪の色に似た
       黒い縁取りにある君の名は。

 

・君眠り神を屠りし夜が明け
        我が目や水を括る赤かな

 

・列車逝く、いつかの僕ときみを乗せ
        途中下車して十束抜く僕

 

・灰になる 街と共に 君は逝く
        在来線と同じ速さで

 

・明けに暮れ 神を殺して 死へ向かう
        僕の靴は 鈍行列車

 

・神眠り僕は無事だと喚いても
        電話の向こう君はいなくて

 

・手のひらにあったスマホの君の名は今4寸の漆に眠る

 

(発声した声の形の指輪の話題を受け)
・薬指、指輪を縛る君の名は。僕の名を呼ぶ聲の形だ

 

・君のいないベッドの中は空の棺の中より寒い気がする