夜想葬曲

詩や短歌、想う事など

春の神話

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春の神話

桜ひとつ眠った連理の枝
雪がそっと開いた
月の憂いにも似た瞳は揺れる
夜の帷の中

いつか誰かが呼んだ名前をひとつ
雪にそっと溶かして
朝日手招いてほら
狛犬たちがやさしく笑ってる

散らざるはあなたの言の葉
止めないで風が薄紅に
色づくから

愛しい季節にこの手を触れて
胸に抱いて桜をあげよう
足跡が消えゆくこの春の日に
風は光り里へと翔けゆく

 

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